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顎関節症について
2026.2.23
目次
コラム 顎関節症について
こんにちは。赤羽歯科池袋診療所 歯科医師の鈴木です。
今回は顎関節症について解説していきます。少し長いですがなるべくわかりやすく記述しましたので、ぜひ最後までご覧ください。
*顎関節症とは
顎関節症とは、顎の痛み、口が開けられない、口を開けるときに音がするといった、顎の関節周りの症状が特徴の病気です。関連痛も含めた症状の集積を顎関節症と呼んでいます。
*顎関節症の分類
顎関節症は、基本的には進行性の病変です。
主に以下の4つのタイプに分類されます。
- 咀嚼筋痛障害(I型):咀嚼筋(頬やこめかみの筋肉)が痛い。
- 顎関節痛障害(II型):顎関節やその周囲の靭帯・関節包などが捻挫したように痛い。
- 顎関節円板障害(III型):顎関節内のクッションである関節円板がずれている。
- 復位性(IIIa型)::口を開けるときに「カクッ」という音がして、円板が元の位置に戻る状態。
- 非復位性(IIIb型)::円板がずれたまま固定され、口が十分に開けられない状態。クローズドロックと呼びます。
- 変形性顎関節症(IV型):長年の負担などにより、関節を構成する骨が変形しているタイプです。顎関節変形症とも呼びます。
*噛み砕いて言うと・・・?
ここまで難しく解説してきましたが、
実は顎関節症を正しく理解するには次のイメージだけで十分です。
仕事や運動、トレーニングで筋肉を「酷使」すると、筋肉痛になります。
筋肉痛になっても「酷使」し続けたら、靭帯を痛めます。
それでも続けて「酷使」したら、、、誰でも関節を痛めますよね。
長期に渡りいじめ続けたら、関節のカタチも変化しそうなものです。
それが咀嚼筋や、咀嚼筋と靭帯でつながっている顎の関節で起こっている「だけ」なので、
安静にしていれば顎関節症とは無縁の生活を送れるはずなのですが、、、
どうして顎関節症は、現代人や歯科医をこうまで悩ませるのでしょうか。
それは「酷使」が仕事や運動、トレーニングと違い、ほぼ無意識下で起きていることが、臨床的には多いことに起因します。
*負荷をかける原因、三選!!!
①TCH
Tooth Contacting Habit(歯列接触癖)の略で、安静時に上下の歯が接触し続けてしまう癖のことです。
唇を閉じて、肩の力を抜いてみてください。上下の歯は当たっていませんよね?
食事や会話時以外では、上下の歯は通常1~3mm程度離れているのが正常で、1日の中で食事を含めて、のべ15分前後しか上下の歯は接触していないとされています。
それ以上に接触していると、本来のキャパシティ(容量)を超えて組織に負荷が蓄積していきます。
原因としては、まずはストレスや集中です。
精神的な負荷がかかると、人間は誰しも、無意識に歯を食いしばって頑張りますので、TCHが起きやすくなります。
また姿勢の悪さ(特にパソコン作業などでの下向き姿勢)も原因と考えられています。多くの人が無意識のうちに行っているため、自覚しにくい傾向があります。
②夜間の、歯ぎしりや食いしばり
睡眠時も実は脳は動いていて、覚醒時の情報の処理を行っているとされています。
この時にストレス要因が強くあると、自律神経が交感神経に傾きやすくなります。
交感神経が優位になった時に、脳の反応として筋肉が緊張しやすくなります。
結果として、睡眠中ですらも上下の歯が接触し、組織に負荷がかかります。
現代人は夜もストレスと戦っているわけです。
ちなみに、歯ぎしりと食いしばりの違いは音が出るか出ないかです。
音が出る歯ぎしりのほうが他覚症状で気づく場合が多いです。
「歯の痛み」が主訴で来た患者さんが、虫歯も歯周病も無く、原因は食いしばりが原因の「顎関節症関連痛」だった、、、と言うことは、臨床でもかなり遭遇するところです。
上記2つの、正常機能(食事と会話)以外で歯が使われる(接触する)事を総じて、
パラファンクションと呼びます。
③噛み合わせ
最後に噛み合わせです。噛み合わせに関しては、明らかに局所に原因がある場合は歯の削合による調整を試みます。果たして本当に噛み合わせが顎関節症の原因になっているのかを精査して、根本的な噛み合わせに対しての大規模な処置をする必要がある場合もあります。その場合は費用と期間もかかりますし、不可逆的な処置を含みますので、精密な診断、慎重な介入が求められます。
基本的には人間誰しも、成長発達に伴い、筋肉の走行や骨の形、粘膜の圧力とマッチしたところに歯は一緒に成長して並んでいるはずです。
これを個性正常咬合と歯科医学的には呼びます。
生まれつきの噛み合わせがどうにも負荷をかけてしまうケースとは別に、我々や患者さんの目指す理想咬合が周囲組織とのマッチから逸脱した場合も、歯もしくは歯周組織、顎関節に悪影響を及ぼします。
*実際の治療の流れ
基本的には歯を削らないで済むところからの治療をおすすめします。
具体的には、まずはレントゲンと歯周組織検査にて、
細菌感染が原因では無さそうな事、顎関節変形症までの進行の疑いが薄い事を確認します。
その後、
・TCHに対する生活指導
・ナイトガード(咬合挙上副子)を作成し、夜間に使用するスプリント療法
この2本柱で、昼夜通して負担を軽減する方針で治療を進めていきます。
ナイトガード作成に大きく支障をきたす歯の欠損や虫歯がある場合は、先に虫歯の治療をする場合があります。
IIIa型までの顎の関節の治療をする場合は、病態があまりに慢性的だった場合、顎の関節の位置が変わってしまい、逆に症状が増悪することも考えられる為、術者可撤式(歯医者さんでしか外せない)の装置ではなく、患者可撤式(患者さんに着脱していただく)のナイトガードによる治療(スプリント療法)が第一選択となります。
通常2、3週間で治療効果は出てきますが、改善が見込めない場合は、当院のレントゲンで検出できない顎関節変形症の疑いもありますので、高次医療機関への紹介をさせて頂く場合があります。
*まとめ
顎関節症は生活習慣やストレスに起因しやすい、常に皆さんの隣に潜む症状です。
基本的には進行性の症状ですので、早期に対応することで進行を防ぐことができます。
当院は院内技工にて技工物を製作しておりますので、最速一週間ほどで装置の完成が可能です。
もし今回お話しした内容に心当たりがございましたら、ぜひ当院にてお力になれればと思います。
赤羽歯科池袋診療所はサンシャイン60ビル8階にございます。池袋駅東口から徒歩8分。東池袋駅直結徒歩3分。雨に濡れずにご来院できます。
スタッフ一同お待ちしております。
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